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《 2019.3.28 》

高齢者への虐待、過去最多1万7500件 要因に介護疲れや介護ストレス


厚生労働省は26日、2017年度の1年間に発覚した65歳以上の高齢者に対する虐待の件数が、過去最多の1万7588件にのぼったと明らかにした。

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介護職員が加害者となったケースが510件、親族や同居人などが加害者となったケースが1万7078件。ともにこれまでで最も多くなっている。相談・通報の総数も3万1938件で最多だった。虐待かその疑いで亡くなった人は28人。

社会の意識が高まって掘り起こされる虐待が増加していることに加え、ストレスや介護疲れ、介護現場の人手不足なども背景にあるとみられる。
 
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果
 

 被害者の7割が女性

 

介護職員が加害者となったケースをみると、特養(30.4%)や有料老人ホーム(21.6%)、グループホーム(14.3%)といった施設・居住系での発生が目立っており、訪問介護(3.1%)や通所介護(6.7%)より多かった。虐待を受けた高齢者は約7割が女性。認知症の症状が深刻化しているなど、状態の重い人ほど被害を受けやすい傾向にあることも報告されている。
 
虐待が起きた要因では、「教育・知識・介護技術などに関する問題」が60.1%で最多。以下、「職員のストレスや感情コントロールの問題」が26.4%、「倫理観や理念の欠如」が11.5%、「人員不足や人員配置の問題、関連する多忙さ」が7.5%などと続く。
 
虐待をした介護職員の54.9%が男性。介護サービスの担い手には女性が多いことを踏まえると、やはり男性の方が加害者になりやすいと言うことができそうだ。
 

 通報者はケアマネが最多

 

親族らが加害者となったケースの要因をみると、「介護疲れ・介護ストレス」が24.2%でトップ。「虐待者の障害・疾病(21.8%)」や「経済的困窮(12.3%)」も少なくなかった。被害者からみた加害者の続柄は、多い順に「息子(40.3%)」「夫(21.1%)」「娘(17.4%)」となっている。
 
市町村に相談・通報を行った人ではケアマネジャーが最も多い。現に介護保険サービスを受けている、あるいは過去に受けていたケースでは特にケアマネや介護職員が活躍していた。介護保険サービスを受けている被害者の場合、虐待の深刻度が相対的に低く抑えられていることも分かった。