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《 2019.3.21 》

介護事業所への実地指導、チェック項目を絞り込み標準化へ 厚労省


《 厚労省の政策説明会 19日 》

介護保険サービスを提供する事業所に対する実地指導について、厚生労働省は4月にも運用の見直しを求める通知を自治体に出す。

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利用者の保護やケアの質の確保といった観点から重要な視点を厳選する形で、範囲をより絞り込んだ標準的なチェック項目を提示。現場で実際に活用するよう求めていく。
 
効率性を高めて多くの事業所に入れるようにすること、指導内容をフラットにして地域間の差異を無くすことが目的。書類を削減して事務負担を軽くする狙いもある。
 
都道府県や指定都市の担当者を集めて19日に開催した政策説明会で明らかにした。全国の事業所に影響が及びそうだ。
 
厚労省:介護保険指導室の説明資料
 

「自治体の手法は様々」

 

事業所への実地指導は以前、国の通知の「主眼事項・着眼点」に沿って実施されていた。厚労省は2006年度にこれを廃止。“指摘型指導”の原因になっている、といった問題提起がなされたためだ。
 
それ以降の実地指導は、過去の「主眼事項・着眼点」をベースに自治体がそれぞれの手法で行っているのが実情。厚労省の介護保険指導室は、「チェック項目の量や内容は様々」と話す。
 

 チェック項目は半分以下に

 

新たな通知では、「他はともかくこれだけは必ず」という不可欠なチェック項目を明確にする。例えば訪問介護と通所介護。過去の「主眼事項・着眼点」では約90項目だったが、およそ半分の約40項目に限定する。居宅介護支援は約100項目から約25項目に、特養は約140項目から約50項目に減らす。
 
これは事業所数がまだ増えていること、自治体の体制の拡充が難しいことを踏まえた判断だ。「確認できなくなる要素も新たに生じてしまう」。介護保険指導室はそう認める。「何もかも全て調べるのは困難。それより1件でも多くの事業所へ入り、最も大切な部分を確かめることの方が重要と考えた」。
 
介護保険指導室は自治体に対し、「指定の有効期間内(6年間)に最低でも1回は実地指導に入ること」と常に要請している。ただし、その実現に苦労しているところも少なくない。制度は一段と複雑になり、期待される役割も以前より増えている。
 

 優良事業所は集団指導のみに

 

介護保険指導室はこの日の政策説明会で、過去の実地指導で全く問題が見当たらなかった優良な事業所を対象に頻度を緩和し、集団指導のみとすることも勧めた。このほか、
 
○ 標準的なチェック項目を用いて1事業所あたりの時間をできるだけ短くする
 
○ 実地指導の日程は原則1ヵ月前までに事業所へ通知する
 
○ 前回の指導と根拠なく大きく異なる指導や職員の主観に基づく指導はしない
 
などを徹底することも指示した。