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《 2019.3.18 》

現地テスト、まずはEPA3国から 介護の外国人受け入れ、国の説明会スタート


《 名古屋会場での説明会 15日 》

外国人労働者の受け入れ拡大に向けて新たな在留資格が4月から創設される。施行まで残り半月となった15日、厚生労働省と法務省による介護分野の説明会がスタートした。

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最初の会場となった名古屋の社会福祉会館には、受け入れを考えている施設の関係者らが参加。両省による説明に注意深く耳を傾けた。
 
法務省の担当者は、制度の概要や必要となる手続き、既に外国人を受け入れている企業による環境整備のモデルケースなどを紹介。「賃金や住宅などに配慮して暖かく迎えられるようにし、この制度を大いに活用して欲しい」と呼びかけた。
 

 向こう5年で最大6万人

 

新たな在留資格の名称は「特定技能」。昨年の臨時国会で改正出入国管理法が成立し、4月から導入されることが決まった。介護分野にとっても意味が非常に大きい。昨年11月の技能実習の解禁と並んで、外国人の受け入れを思い切って増やす方向へ舵を切る重要な政策転換と言える。
 
政府は向こう5年間の受け入れ人数を最大6万人と見込む。特養や老健、特定施設、グループホーム、通所介護などを対象とし、訪問系のサービスは除外している。事業所ごとの受け入れ人数には、「日本人の常勤介護職員の総数まで」との上限を設けた。
 
「特定技能」を持つ外国人が日本で働ける期間は5年。この間、基本的に家族の帯同は認められない。技能実習からの接続や留学からの移行は可能。介護福祉士の資格を取れば永住への道が開け、配偶者や子を呼ぶこともできるようになる。
 
希望者に「特定技能」の在留資格を与えるかどうかは、パソコンで回答する方式の日本語試験、技能試験で判断するという。厚労省はこの試験の概要を近く公表する方針。そうなると外国人の“新たな道”の難易度もある程度みえそうだ。
 
国内には両論があってコンセンサスはない。「ハードルを上げて質を担保すべき」「ハードルを下げて多くの方に来てもらうべき」。厚労省はこうした相対する意見の狭間で揺れてきた。結局どれくらいの高さのハードルとするのか? それによって対応も違ってくるため、多くの事業者が注視しているのが現状だ。
 

「訪問系サービスも解禁すべき」

 

厚労省と法務省による説明会は全国8ヵ所で開催される。大阪や広島、福岡などではまだ参加希望者の受付を続けているようだ。
 
説明会の日程などはこちら
 
法務省の担当者は名古屋の会場で、「特定技能」の外国人を受け入れる介護施設などが果たすべき義務として、
 
○ 外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること
 
○ 外国人への支援を適切に実施すること
 
○ 出入国在留管理庁へ各種の届け出を行うこと
 
などを説明。日本人と同等以上の報酬を必ず確保することや、本人が一時帰国を希望した場合は休暇を与えることなども求めた。
 
厚労省の担当者はこの日も入国試験のハードルの高さを明示しなかった。ただし、EPA(経済連携協定)で受け入れ実績があるベトナムやフィリピン、インドネシアから試験を始めていく計画だと表明。「既に積み上げがあるEPA3国からスタートさせるのが無難だと考えている。それからタイやカンボジア、ミャンマー、中国、モンゴル、ネパールなどへ広げていきたい」と述べた。
 
このほか、現場の関係者から「訪問系サービスの受け入れも容認すべき」との要望が多く寄せられていることも明らかにした。