Report

《 2019.3.12 》

田中滋氏「答えは生産性向上しかない。でもそれは介護サービスの画一化ではない」


《 講演する田中理事長 11日 》

介護現場の生産性向上に力を入れる厚生労働省が11日に都内で啓発イベントを開催。介護報酬を議論する審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)の会長、埼玉県立大学の田中滋理事長が基調講演を行った。

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田中理事長は講演のなかで、75歳以上の人口の増加や生産年齢人口の減少が加速していく今後を見据え、「働く人がどうしても足りなくなってしまう。答えは生産性向上しかない」と強調。そのうえで次のように語った。
 
「サービスを画一的にしろということか? 要介護者はそれぞれ性格も体つきも状態も違うのに、それを無視して同じサービスをやれということか? これはよくある反論で、心意気のある優れた介護職員にそう捉える人が多い。でも決してそうではない。生産性向上はサービスの質を上げるため、仕事の過度な負担を減らすため、介護の価値を高めるために取り組む。よりきめ細かく対応できるよう、個々の利用者の変化に柔軟に対応できるよう、色々と段取りをしておこうということ」
 
田中理事長はこのほか、「働く人の誤解や反発を招いてしまってはいけない。なぜ生産性向上なのか。サービスの質を無視した画一化では決してない。本来の目的をきちんと伝えていかないと失敗する。事業者は自分たちの理念や行動指針を現場に注意深く説明しないといけない」とも述べた。
 
厚労省はこの日のイベントで、施設サービス向け、居宅サービス向け、それぞれの「生産性向上ガイドライン」を初めて公表した。現場で実践すべきノウハウを冊子にまとめたもの。現在、ネットでの公表に向けて準備を進めている。