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《 2019.3.6 》

特養、引き続き3割強が赤字 手厚いケア体制で利用率に差 福祉医療機構


看取りなど高い専門性を要するニーズにしっかりと対応できるかどうかが重要なカギ − 。改めてそう分析している。

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特別養護老人ホームの2017年度の経営状況をまとめたリサーチレポートを、福祉医療機構が新たに公表した。引き続き厳しい環境は変わっておらず、赤字の施設は従来型が33.9%、ユニット型が31.7%、全体で32.6%。採算ラインを分ける要素として大きいのは、主に人件費率と利用率だったという。マンパワー確保の観点から人件費には切り込めないため、KPIはやはり利用率だと改めて説明している。
 
特別養護老人ホームの経営状況について
 
この調査は福祉医療機構の貸付先が対象。開設から1年以上が経過している3681施設の状況をまとめている。
 

 地域で選ばれるには?

 

それによると、利用者の平均要介護度は従来型で3.98、ユニット型で3.86。これまでで最も高い水準となった。経営状況を定員数ごとにみると、従来型・ユニット型ともにスケールメリットが顕著に表れており、規模の小さい施設ほど厳しい傾向がみられた。
 
黒字の施設と赤字の施設を比べると、人件費以外ではベッドの稼働率に差が出ている。例えばユニット型。黒字の施設は95.3%だが、赤字の施設は3.2ポイント低い92.1%にとどまっていた。
 
高い利用率をキープするために必要なことは何か?
 
今回のレポートでは、看取りもできる体制を整えている施設、あるいは「看護体制加算」や「経口移行加算」、「日常生活継続支援加算」などを算定している施設が、そうでない施設より良い結果を出していると指摘。「専門的で手厚いケア体制が整備されている施設の方が、地域の利用者から選ばれており利用率が高い」とした。
 
そのうえで、「競合する施設での対応が難しい、その意味で真の社会福祉ニーズに応えることのできる専門性こそが、地域の中での特養の立ち位置として期待されていること。そういったニーズに積極的に対応する姿勢こそが、地域から必要とされ、結果として経営上も望ましい効果を生んでいる」とまとめている。