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《 2019.2.12 》

中野区と葛飾区、認知症事故の損害賠償保険を導入へ 都内初 区が費用を負担


東京都中野区と葛飾区は来年度から、認知症が原因となった事故の損害賠償責任を補償する制度をそれぞれ導入する。都内ではこの2区が初めて。区の財源で民間の損害保険に加入し、悪意のない本人や家族が多額の賠償金などを負担しなくて済むようにする。在宅生活を続けていくうえでの不安を取り除く狙い。どちらも来年度予算案に費用を盛り込んだ。

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中野区の制度は、認知症と診断された40歳以上の区民が対象。支払い額の上限は鉄道事故などの補償で3億円。本人が亡くなったり怪我をしたりした場合も50万円まで支払う。今年10月から申し込みを受け付け、来年1月から始動する予定だ。年間の保険料などを含む経費として、来年度予算案に69万3000円を計上した。
 
一方、葛飾区の制度の対象者は、徘徊に備えて持ち物に登録番号などが書かれたシールを貼る「おでかけあんしん事業」の登録者。昨年12月時点では244人で、来年度末には540人まで増えると見込まれている。こちらは鉄道事故などの補償で最大5億円。本人が亡くなったり怪我をしたりした場合は最大50万円。来年度予算案には、「おでかけあんしん事業」も含めて270万円の費用を計上した。
 
認知症に起因する事故をめぐっては、2007年に愛知県大府市で徘徊中に電車にはねられて亡くなった91歳の男性の家族に対し、JR東海が多額の損害賠償を求めて波紋を呼んだ経緯がある。既に神奈川県大和市や兵庫県神戸市などで独自の補償制度を設ける試みが始まっており、中野区と葛飾区もこれに続いた形だ。
 
中野区に住む認知症の高齢者は昨年12月時点で約1万2000人。2025年までにMCIも含めて2万人超となる見通しだ。葛飾区にも約1万6000人(先月1日時点)の認知症の高齢者が暮らしており、今後さらに増加するとみられている。